技術分野

化学

事例・実績

鉄鋼材料組成調査
(CS:JIS-G1211・Si:JIS-G1212・Mn等:JIS-G1258)

概要

鉄鋼材料は種類も多く組成により性質が変化し、その調査は材質を特定する上で極めて重要です。
化学分析で行う調査は、非破壊で行う機器分析より精度の高い測定が可能です。
一般的な鉄鋼材料の化学分析法について紹介します。

適応材料

・炭素鋼・鋳鉄・ステンレス材・工具鋼・耐熱鋼・Ni合金
・Co合金・その他鉄鋼材料

分析

〈C S〉炭素・硫黄

分析法 高周波誘導加熱炉燃焼-赤外線吸収法(JIS-G1211)
主な調査内容 高周波誘導加熱炉中で純酸素を流しながら高温に加熱して、燃焼させます。炭素は二酸化炭素に、硫黄は二酸化硫黄(C→CO S→SO)にそれぞれ酸化させ、酸素気流中で搬出しそれらの赤外線吸収量を測定します。
  • 炭素硫黄同時分析装置 CS-844
    LECO社製
    炭素硫黄同時分析装置 CS-844

〈Si〉けい素

分析法 二酸化けい素重量法(JIS-G1212)
(微量の場合は、ICP-AES分析法)
主な調査内容 試料を酸で分解した後、過塩素酸により不溶性となったけい素をろ過後強熱して秤量します。更にフッ化水素処理を行って加熱減量分をけい素として定量します。

〈Mn P Ni Cr Mo Cu Al Mg Nb その他の元素〉マンガン・リン・ニッケル・その他の元素

分析法 高周波プラズマ発光分析法(JIS-G1258ICP-AES分析法)
主な調査内容 試料を適切な酸で溶解し、(残渣はアルカリ融解等で処理)溶液の状態にします。溶液を高周波により作られたアルゴンプラズマの中心に霧状にして導入します。高温(約1万℃)のプラズマに導入された試料中の金属成分はすぐに励起され基底状態に戻るときに元素固有の波長を発光します。その強度は試料濃度に比例するため、あらゆる金属元素の定量が可能です。
なお、多点検量線に使用する標準物質の全てはJSS(日本鉄鋼協会)又はJCSS(日本計量振興協会)の認証品です。