技術分野

材料評価

事例・実績

ステンレス製配管の粒界腐食

材質 SUS304
使用条件 外面:大気
内面:淡水
事故/
損傷状態
  • 約8年使用した水管のバルブの溶接部近傍に漏水が発生した。
  • 配管内面には錆びこぶの発生が認められた。
  • 漏水発生箇所近傍の外面の金属組織をスンプ法によって観察すると、粒界割れが観察された。
  • また、漏水の発生していない箇所の金属組織も鋭敏化している様相が確認された。
  • 製作過程を調査した結果、同部材に炭素鋼とステンレス鋼との溶接部があり、溶接後に炭素鋼溶接部の応力除去焼鈍(約600℃)を実施したため、同部材であった漏洩箇所付近も同じ温度に曝されたことが明らかになった(鋭敏化した)。
結論
(推定原因)
鋭敏化した箇所が使用期間中に徐々に腐食され内面に錆こぶが付着する状態となり、錆びこぶ下で腐食が加速されて粒界腐食が生じ、残留応力等により粒界割れが発生したと推定される。
対策
  • 材質変更(SUS304L材など)
  • 応力除去焼鈍の見直し 等

調査結果