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材料評価

技術レポート

複合材料の環境を変えた強度試験

 当社では航空機部品や車両部品等に使用される樹脂系複合材料について、各種環境下での強度試験を実施しています。このような樹脂系複合材料の強度は試験環境(温度、湿度)の影響を受けるため、試験温度や湿度の管理が重要となり、環境試験室や恒温環境槽を使用して種々の複合材料の強度試験を行っています。

1.環境試験室について

 ASTM(American Society for Testing and Materials)で規定されている環境条件-恒温(23℃±2℃)、湿度(50%±5%)-での静強度試験が可能です。表1は環境試験室の諸元を示したものです。図1および写真1は環境試験室の概要を示したものです。この試験室で温度・湿度が一定の環境下での静的強度試験が可能です。

項目 内容
試験室寸法
(壁・天井部および扉は硬質発泡
ウレタンによる断熱仕様)
6,960×5,950×3,025H mm
前室寸法 3,500×3,400×2,500H mm
温度・湿度の制御範囲
(空気調和機と小型冷凍機で制御)
温度:23℃±2℃
湿度:50%±5%
計装機器 温湿度記録計

表1 環境試験室 緒元

  • 写真1 環境試験室外観

2.恒温環境槽について

写真2 大型環境槽の概要
(引張試験機に装着した場合の例)

 -60℃~250℃の恒温環境試験が可能である各種の恒温環境槽を揃えています。
 表2に恒温環境槽の諸元を示します。これらの恒温環境槽は静的強度試験だけでなく疲労強度試験も可能です。
 写真2~写真4に各種の恒温環境槽の概要を示します。

写真2 大型環境槽の概要
(引張試験機に装着した場合の例)
名称 槽寸法(㎜) 使用温度(℃) 静的
試験用
疲労
試験用
製造
メーカ
  高さ 奥行 低温側 恒温側
大型恒温槽 槽外
寸法
560 816 1135 -60 250 島津製作所
槽外
寸法
450 700 1000
小型恒温槽 槽外
寸法
360 560 600 -60 250 島津製作所
槽外
寸法
240 485 230
疲労用恒温槽 槽外
寸法
530 700 1200 常温 250 坂口電熱
槽外
寸法
410 560 730

表2 恒温環境槽 緒元

  • 写真3 小型環境槽の概要
    (疲労試験機に装着した例)

3.恒温環境試験実施例

(1)航空・宇宙関連の環境強度試験例

  • 樹脂系複合材料の引張試験、曲げ試験、せん断試験等(常温~80℃)
  • 接着強度試験(常温~100℃)
  • 航空機パネル実体の曲げ強度試験(80℃)
  • ロケットフェアリング材料の引張試験、圧縮試験、曲げ試験等(常温~150℃)

(2)車両関連の環境強度試験

  • スキンパネル材の強度試験

(3)その他

  • 自動車用複合材料の恒温疲労試験(80℃)
  • 自動車用複合材料の圧縮摩耗疲労試験(80℃~150℃)