技術分野

材料評価

技術レポート

特殊な形状をした試験体の強度試験

 材料の強度試験は、一般的に定型試験片(JIS等)を使った引張・圧縮・曲げ試験です。
 しかし、最近、構造体のままでの強度評価や破壊靱性、または特殊な形状での強度評価など特殊試験のニーズが高まっています。
 当社では、これまでさまざまな特殊強度試験に対応してまいりました。今回はその一例をご紹介いたします。

1.動翼の実体引張試験

 タービン等の動翼外周には「シュラウド」と呼ばれるカバー状の板が接合されています。
 当社では、万能試験機を用いてこの「シュラウド」が動翼に取り付けてある接合部の実体引張強度を測定し、評価を行いました。

  • 試験治具概略図面
  • 治具取付状況

2.チューブのフープ方向強度試験

 チューブに内圧が作用する場合、チューブにはその径を広げようとする応力(フープ応力)が発生します。この試験では、ある特殊材料のフープ応力に対する強度を測定し、評価を実施しました。

  • 供試体概略図

    試験治具外観
  • 試験状況

3.スタッドボルトの曲げ強度試験

 水平方向に打ち込まれたスタッドボルトの先端部に曲げ荷重が作用した場合のスタッドボルト曲げ強度およびひずみ量を測定し、評価しています。

試験状況

4.その他の特殊形状試験実施例

  • 樹脂系複合材料構造体の引張・ひずみ測定試験
  • 大径ボルト(M48以上)の引張強度試験
  • 接着部材(ゴム等)の180゜引き剥がし試験
  • 大型ベアリング(φ500mmクラス)のスラスト方向荷重-変位測定
  • 木材の低温圧壊試験
  • 各種構成部品の破壊荷重測定(200tf試験機使用による)

 このように当社では、一般的な強度試験から、通常の試験片による試験では困難な構造体や特殊形状部品の強度試験についても治具検討・製作から試験、評価までを幅広く対応しています。