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37号インタビュー「降りかかってくる難題は、解決できることしか降りかかって来ない」
1.会社概要・事業内容についてお教えください。
 弊社は、「吸収冷温水機/冷凍機」と「ボイラ」の2種類の製品を柱に事業展開している会社です。「吸収冷温水機/冷凍機」は、空調のための冷水・温水を発生させる心臓部となる装置で、駅全体とか、大学、工場、病院など、広い空間の全館空調に利用されます。ガス、油、蒸気といった電気以外をエネルギー源として、地球温暖化係数の大きいフロンや代替フロンを全く使用しない「ノンフロン」製品で、従来は廃棄されていた余剰エネルギーも有効に活用できるという特質を備えています。
 「ボイラ」は、産業用を中心として、どちらかと言えば工場の生産ラインや大規模なドーム等における施設の蒸気を発生させる大型ボイラを得意としています。これらの製品の設計・開発、製造、販売、アフターサービス・メンテナンスまで一貫して行っている会社です。
 弊社は、1972年に川崎重工業株式会社と汽車製造株式会社が合併した際に、冷温水機やボイラのアフターサービス専門会社として事業を開始し、川重冷熱サービス株式会社の商号で創立致しました。1978年に、社名を現在の川重冷熱工業株式会社に変更し、1984年に、川崎重工業株式会社より空調・ボイラ製造部門が移管され、現在のような設計・開発、製造からサービスまでを行う体制が整いました。
 今年の3月10日には、お陰様で創立40周年を迎えました。また、現在製品を製造しています滋賀県草津市にある滋賀工場は、1962年に汽車製造株式会社滋賀製作所として設立されました。その後川崎重工業株式会社滋賀工場の時代を経て、川重冷熱工業株式会社が事業を継承していますが、こちらも工場が建てられてから今年で50周年という節目を迎えることができました。
三重効用吸収式冷温水機
【三重効用吸収式冷温水機】
イフリートビート
【イフリートビート】
2.支社長のお仕事について、お聞かせください。
 社内の組織としては、企画室、品質保証総括室、営業サービス総括室、技術総括室、生産総括室があり、営業サービス総括室は、各支社とボイラ営業部、海外営業部などの営業及びサービスに関わる各部門で構成され、私が所属しています西日本支社は、近畿二府四県から西側、九州、沖縄までを担当エリアとしています。事業としては、冷温水機の営業部門とサービス部門、ボイラのサービス部門を統括しています。私は、もともと営業の出身で、西日本の中では一番大きな市場である大阪を中心として動くことが多いのですが、案件によっては各支店へ赴いて直接営業もしています。
 エリア別の特徴は、東日本、特に東京エリアは仕事の数としては多いのですが、他社もこのエリアには力を入れていますので、かなりの激戦区です。西日本、特に関西エリアも同じように激戦区ですが、川崎重工業株式会社の地元ということもあり、総合力でお仕事を頂ける場合も多く、お陰様で冷温水機のシェアでは現在トップです。
3.新規と更新の比率はどちらの方が多いのでしょうか?
 比率でいきますと圧倒的に更新が多いです。今は、次々と新規に箱ものを建てる時代ではないので、過去に納入した案件を継承し更新することが多くなります。また、他社製の製品が設置されている施設の更新案件も、積極的に攻めの姿勢で受注するように努めています。
 更新案件で大変なのは、更新を前提に設計されていない建物も結構あるので、製品の搬入が問題です。現在弊社の製品は、いくつかに分割し、設置場所で組み上げるような設計になっていますが、搬入経路の大きさにどうしても制約があるので、古い機械の撤去だけをして、別途新規に設置場所を設けるような対応もしています。
4.営業職から支社長になられて、今までとは違ったサービス部門の 業務も含めた管理をされるようになり、どのような印象をお持ちでしょうか?
 営業だけをしていた時は、特にエンドユーザー様とは納入後のお付き合いがどうしても薄くなりがちで、「次更新の時期にならないと来ないなぁ」なんて、皮肉を言われたこともありました。しかし、サービスは納入後のお付き合いの方が長くて濃いので、それこそ、ちょっとしたトラブルなどが発生しているお客様の方がお伺いする頻度も高くなり、お付き合いが密になったりします。そういった意味でサービス部門も担当するようになって中身の濃さが全然違うと感じましたね。
 更新の場合、その製品の成否の決め手となるのはサービスのクオリティー如何だと思います。更新がうまくいった場合、「メンテナンスの方の対応がよく、信頼して任せられた」というお客様からの声が一番多いですね。機械の性能はもちろんですが、「この会社にメンテナンスを任せたい」と言って決めていただけるのは本当に嬉しい限りで、やっぱりメンテナンスの質は大事だと実感する場面ですね。
 特に冷温水機の場合は、定期的な保守契約を結んでいただく場合が8〜9割で、定期的に巡回させていただく機会が多くあります。Face to Faceのお付き合いが多いと、情も信頼も生まれて次につながっていく事も多々あります。機械の調子が抜群に良くて、「そんなに頻繁に来なくて良いよ」って言っていただけるお客様もいらっしゃいますが、そういった部分も大事にしていきたいと思い、できるだけ訪問するようにと言っています。
 また、製品の設計耐用年数は現在15年となっていますが、実際にはそれを超えて20年、30年とお使いいただいているお客様も多くいらっしゃいます。その間にサービスマンも世代交代することもありますが、前任者が実施してきたサービスの質を絶対落とさないように、会社としてサービス品質を維持するようにといつも言っています。そのために、社内でサービス管理システムを立ち上げ、ネットワーク上でお客様に納入した機械の履歴、カルテのような物を一元管理し、次の世代へ引き継いでいくようにしています。これはもう社内での財産ですね。
 さらに、メンテナンスのツールとしてテクノさんと共に開発しました「テレメンテシステム」は、お客様にとっても私どもにとっても、初動が早くできるというのが一番のメリットだと思います。
 トラブルに至った状況を現地に行ってから調べているようでは、そこでまた時間をロスしてしまいますので、事前に運転データを確認した上で、適切な準備をしてからご訪問できるというのが本当に助かります。
5.ご苦労された案件や、思い出に残った案件についてお聞かせください。
 日常的に行き詰ることやトラブルなど、担当者にしっかり乗り越えて進んでもらうということが大変だったと思います。やはり、そこから目を背けてしまうと成長はできません。何かトラブルが起こっても、必ずいつかのタイミングでは解決しているわけですが、その経過の中で努力しないと良い解決は絶対ありえません。「自分に降りかかってくる難題というのは、解決できることしか降りかかって来ない」わけですから、ひとつひとつきっちりと努力して解決していきましょうと言っています。これは自分自身にもあてはまりますが。
 思い出に残っている案件は、私が営業マン時代の一番大きな案件となりましたが、弊社では最大級の冷温水機を4台まとめて関西のある競馬場へ納入したことです。一生懸命に設計事務所、建築業者、設備業者に通って、毎日毎日、ほんとに地道な営業でしたね。決まった時は本当にうれしかったです。
 営業活動を通じて感じたことは、主に建築業者様、設備業者様からの川崎重工グループに対する評価が、私の想像以上に高い場合が多かったことでしょうか。関西ということもあるのかもしれませんが、それには非常に助けられたように思います。
6.昨年の震災以降は、受注状況に変化がありましたでしょうか?
 震災以降では節電需要がかなり高くなり、お引き合いも大幅に増えました。関西地区では2011年度の下期に計画の2倍の受注量がありました。1987年にモントリオール議定書が採択された時には、冷媒に水を使用しフロンを使わない我々の装置が注目され非常に受注が伸びた時期がありました。ところが1997年に京都議定書が採択されて、弊社の製品は燃焼機器ですから、CO2の問題で受注は年を追うごとに減りました。今回の節電による受注の伸びも一過性の需要で、継続するとは限りません。ただ、電力一辺倒ではなく、エネルギーの多様性とか、電力のピークカットに弊社の吸収式冷凍機が活躍するということが、改めて世間に認めていただけたのかなと思います。
7. プライベートな質問になりますが、どのようなご趣味をお持ちですか?
 仕事柄、月並みですけどシーズン中は毎週のようにゴルフをしています。ゴルフ歴は、長く20年近くになりますが、真剣になったのは、最近の5年くらいでしょうか。始めた頃は、遊びでやっていましたが、色々な場へ出る事が多くなりましたので、スコア改善のためレッスンに通いました。飛躍的には改善しましたが、人それぞれに壁があるようで、なかなかその壁を越えられずにちょっと悩んでいるところです。アスリートではないので「エンジョイゴルフで良いですか?」とお誘いし、楽しくプレーすることを心掛けています。 ご愛用のゴルフセット
【ご愛用のゴルフセット】
8.川重テクノロジーへのご意見、ご要望などはございませんか?
 トラブルが発生した際の調査だけではなく、今後は設計・開発部分からタイアップして、一緒により良い製品作りをしていただければと思っております。また、テレメンテに代表されるようなソフトウェアの部分でも、色々と一緒にさせていただくことが今後ますます多くなってくると思いますので、その節はぜひ力になっていただきたいと思っております。
池村 和哉 氏 川重冷熱工業株式会社
西日本支社長
池村 和哉 氏
1989年 2月 川重冷熱工業株式会社 入社
2006年 4月 高松支店長
2008年10月 西日本支社長 現在に至る