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国道いろいろ
 唐突ですが、「国道」について紹介いたします。昨今の公共事業削減といった時勢のため、すっかり肩身の狭い立場に置かれている(?) 国道ですが、交通インフラとして重要な役割を担っているのは紛れもありません。事実、日本の国道網は全国津々浦々に張り巡らされており、その実延長(総延長から重複区間等を差し引いた距離)は5.4万kmにも及び、地球1周4万kmを遥かに超える長さを誇ります。現在の国道は1号線から507号線まで制定されており、途中に欠番があるので、総数としては469路線に上ります。これら国道に対して、大多数の人が抱くイメージは「交通量の多い幹線道路」といったところでしょうか。
(写真1)国道439号
(写真1)国道439号

 ところが中には写真1のように、まるで農道のような風情を醸しているこの道も国道に指定されているのです。このように、ひとことで国道と言えども千差万別で、それぞれに魅力的な個性が見えてきます。私はそんな国道の魅力に取り付かれた一人で、モーターサイクルや4輪自動車などを駆使して、足掛け20年で日本の国道の実延長の95%以上を走破してきました。今回は私が今までに出会った国道の中で、特に風変わりと感じたものをいくつか紹介したいと思います。
(1)最短国道は神戸にあり
 日本の国道の総延長を総数で割ると、1路線あたりの平均距離は143kmとなります。起点から終点まで完走しようとすれば、自動車でも数時間はかかるでしょう。ちなみに距離が最も長い国道は東京から青森に至る国道4号で、その距離は739kmに達します。では最も短い国道というと、当社の事業所の一つがある神戸市に“それ”はあります。国際港を代表する施設とも言える税関の前の交差点から、神戸港に至る国道174号線のことです。その距離わずか187mと、陸上競技の短距離走並みです。写真2のように、日本一の短さを誇示する道路標識まで建っています。 (写真2)国道174号
(写真2)国道174号
(2)海を行く国道
 当社には神戸事業所のほか、明石に本社と事業所があります。神戸を起点に明石を経由して四国徳島に至るのが国道28号です。海岸線に沿ったこの道は爽快なドライブルートともなります。しかし、神戸方面から明石へと道なりに進むと、明石港で国道28号は“ぷっつり”と途切れます。代わりに出迎えてくれるのが写真3の“たこフェリー”です。明石港と対岸の淡路島岩屋港を20分ほどで結びます。
(写真3)たこフェリー
(写真3)たこフェリー
そして岩屋港から国道28号は再び姿をあらわし、南方へと続いていくのです。つまりこの国道は海上区間も含めて一本の線で、神戸から徳島へと繋がっているのです。このような国道は「海上国道」とも呼ばれており、また、海上国道を運行するフェリーを「国道フェリー」と呼ぶこともあります。島国日本ゆえに、全国的には20本を越える路線が海上国道として存在します。(なお現在は神戸淡路鳴門自動車道の開通により、明石海峡の海上区間は国道指定を外れています。)
(3)アーケード通りだって国道
 明石港のすぐ近くにある“魚の棚商店街”。海産物を扱う商店が軒を連ねるこのアーケード街は平日・休日を問わず、新鮮な魚介類を買い求める大勢の人で賑わいを見せます。まさかそんなアーケード通りが国道ということがあるのでしょうか。明石ではありませんが、実は長崎にあります。写真4の長崎市内の繁華街の浜町アーケードは国道324号に指定されており、アーケード入口には国道標識もあります。人が行き交う時間帯では車両は通行止めとなっており、通行できるのは夜10時から翌朝5時に限られています。 (写真4)国道324号
(写真4)国道324号
(4)階段国道
 先述のアーケード国道は人通りの少ない夜間であれば、自動車の通行が可能でした。しかし、物理的に車両の通行を阻む国道が存在します。
(写真5)国道339号
(写真5)国道339号
 国道339号は青森県の津軽半島を海沿いに周回する風光明媚な国道です。半島の先端に位置する竜飛岬では天候に恵まれれば、対岸の北海道を望むこともできます。そんな竜飛岬にその「名物」はあります。青森方面から国道を走行すると竜飛岬先端の漁村に着きます。辺りを見回すと民家の軒先に国道標識があり、徒歩にて民家の脇をすり抜けたところに現れるのが、写真5の光景です。国道番号の下には「階段国道」との表示があります。全長は388m、段数は362段あり、標高差は約70mとのことです。今では観光名所ともなっていますので、東北旅行の際には一度立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
(5)まだまだある変わった国道
その1:絶対Uターン禁止の国道
 国道の中の一方通行区間のことで、全国的には複数個所ありますが、大抵は道幅が狭くて、双方向通行に支障があることに起因しています。特筆すべきは大阪の中心地を南北に貫く「御堂筋」で、6車線を誇る道幅ながらも全長4kmに渡って南方向への通行に限られています。そんな御堂筋も実は国道25号の一部なのです。

その2:ぐるぐる目が回る(?)国道
 北海道を通る国道40号で、旭川中心街に外径およそ80mで、ほぼ真円のロータリー交差点があります。ロータリー内は時計回りの一方通行なので、ロータリー内に留まれば、延々と回り続けることになります(危険なので決して実行しないでください)。

 ここまで、わたしの思いつくままに国道を挙げていきましたが、切り口次第でいくらでも特徴的な国道を取り上げることができると思います。皆さんが日頃に何気なく通っている道にも、よくよく観察してみると思いがけず面白い事実に気付くかもしれません。是非とも探してみてはいかがでしょうか。
(写真6)国道58号
(写真6)国道58号
おまけ・・・写真6は沖縄本島の国道58号走行時に見つけた道路標識です。絵柄がなんともかわいらしかったので思わず撮影しました。