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パワエレ・電子

技術レポート

新幹線用連続換気装置

 高速で走るがゆえに窓の開かない密室構造の新幹線では、意外なものが活躍しているのをご存知でしたか?それは換気装置です。温度や湿度を快適状態に保つ空気調和装置に対し、常に空気を新鮮に保つのが換気装置。

 これだけではご家庭の換気扇と同じですが、新幹線では、連続換気装置と呼ばれ、連続的に給気ファンにより新鮮外気を車外から客室内へ送り込み、排気ファンにより客室内空気を車外へ排出します。さらに、トンネル通過時などの車外圧力の変動が、密閉された客室内へ伝播することを抑制する役割も担っています。

 室内の圧力変動は、不快な耳ツンを引き起こし、ファンモータの振動・騒音とともに、乗り心地を損ねる要因であり、それらの低減は大きな課題でした。

 川崎重工業(株)へ納入の連続換気装置は、給気ファンと排気ファンを独立駆動することで、圧力を自在に制御する独自の方式を採用し、

客室内の圧力変動の抑制による耳ツン防止
ファン特性の最適化と同期モータ採用による省電力低騒音
季節によるファン特性の変化を自動補正

 などの特徴を持ち合わせ、快適な新幹線客室の提供と運用コストの低減を実現した高性能な換気装置です。

 これまでに、JR東日本殿向けE4系新幹線電車、JR西日本殿向け700系新幹線電車、JR九州殿向け800系新幹線電車、台湾高鐵殿700T系新幹線電車に採用され、約680台が納入されました。また、JR東日本殿向けE5系新幹線電車およびE7系新幹線電車、JR北海道殿H5系新幹線電車にも採用され、合計約330台を順次納入しています。