技術分野

パワエレ・電子

技術レポート

溶接部の外観検査装置

1.はじめに

 当社では、溶接部の検査において、より正確な検査を行えるようセンサを用いた自動検査装置を開発しました。本装置を用いることで熟練技能が不要となり、検査結果が自動で保存されるため、品質管理が容易に行えるようになりました。本装置は、溶接部材の様々な検査に対応できます。ここでは、当社が開発した本装置についてご紹介します。

(1)従来の検査方法

 従来、溶接部品の検査工程において、隅肉溶接(下図一例)と突き合わせ溶接部の脚長・余盛り(下図一例)・のど厚計測、アンダーカット・オーバーラップなどの欠陥検査を検査員が測定ゲージをあてて行っていました。
 この検査方法では、検査精度が検査員の技能・経験に依存するところが大きく、品質のバラツキや検査結果の記録時にヒューマンエラーが生じることがあります。

(2)開発した装置による検査方法

 今回ご紹介する検査装置では、レーザスリット光を用いた、光切断法により対象物の断面形状を取得できるセンサを溶接部にあて、ボタンを押すだけで簡単に精度よく検査を行うことができ、データの保存・取り出しも容易に行えます。

2.検査装置の特徴

 本装置の使用方法、検査可能項目及び装置の主な仕様を下記に紹介します。

(1)装置概要(図2)

 検査対象のワークの溶接線と検査位置を本装置のメニュー画面からタッチパネルで入力し、ガイドのついたヘッドを溶接線にあてることで計測が行え、検査位置情報と検査データを同時に保存できます。また、基準値を予め設定しておくことで合否判定も可能です。

検査結果は数値データと断面形状(注1)データも保存できるため、ビードがどのような溶接状態であったか、後日確認することもできます。

保存した検査データは、USBメモリ等にコピーして、外部PCにデータを移すことが可能です。

注1:断面形状図は、本装置内におけるソフトウェア開発ツール(Microsoft Visual Studio)によるソフトウェアにて表示されます。

(2)検査機能

1.検査項目

2.保存データ

(3)装置仕様

【仕 様】

項目 仕様
寸 法 本体:W260xH221xD281
センサヘッド:W50xH135xD110
重 量 本体:約7.5kg
センサヘッド:約0.6kg
電 源 AC100V、33W
インターフェース USB2.0 x 2
LAN(Giga) x 1
Bluetooth キボード、マウス用
検査スペック 計測精度:0.5mm(分解能: 0.1mm)
計測結果保存数:1000データ
計測最小R:2mm

3.溶接検査例

 以下に本装置で行える検査例(図3~図10)を示します。

注)検査結果は、本装置のタッチパネル画面に表示した部分を抜粋しています。

(1)脚長検査

図3 サンプル-脚長
【図3 サンプル-脚長】
検査結果 図4 検査結果-脚長
【図4 検査結果-脚長】

(2)余盛り検査

図5 サンプル-余盛り
【図5 サンプル-余盛り】
検査結果 図6 検査結果-余盛り
【図6 検査結果-余盛り】

(3)アンダーカット検査

図7 サンプル-アンダーカット
【図7 サンプル-アンダーカット】
検査結果 図8 検査結果-アンダーカット
【図8 検査結果-アンダーカット】

(4)曲げR検査

図9 サンプル-曲げR
【図9 サンプル-曲げR】
検査結果 図10 検査結果-曲げR
【図10 検査結果-曲げR】

4.おわりに

 本装置を用いることで、検査員の技能・経験に頼らず高精度な検査ができ、検査結果がデータとして残るので、品質管理する上で有効なツールとなります。また、曲げ加工での小さなアール部の検査も行えますので、板金加工後の検査にも使用可能です。