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1. はじめに

 ひとつの製品を作り上げる工程には、いくつもの検査が伴います。特に、その製品が仕様を満たすことを確認する検査には、何らかの試験が必要です。ただ、検査の方法が確立されていても、試験に必要な設備を持たなかったり、経験が少なかったりする場合は、検査を外注することがあります。当社は、その外注先として検査を代行いたします。
 検査の方法が確立されていない場合もあります。例えば、最近話題の水素を扱う機器など、新しい領域の製品は、検査の方法や必要な設備から検討しなければなりません。また、検査の方法が確立されていても、その手間を軽減したい場合もあります。当社は、検査の方法の開発や変更でも、その検討をお手伝いします。

2. 検査代行の例
(1) 水素タンクのペネトレーション・テスト(貫通テスト)
 車両に搭載する水素タンクは、車両に事故が発生してもタンクの破損に伴う水素漏洩を防がなければならないため、それに応じた強度が求められます。当社では、レース用の水素エンジン車に搭載されたタンクの構造が、求められる強度を有していることを、空気砲を用いて確認しました。
図1 空気砲衝突試験装置 概念図(当社HPより)
図1 空気砲衝突試験装置 概念図(当社HPより)
(2) 電気設備の防水試験
 IPコードが定められた防水試験が一般的に知られており、当社でも信頼性評価試験の一環として実施しています。また、防衛省規格(NDS)にも防水試験があり、防衛装備品の納入に際しては、その検査を求められることがあります。しかし、NDS試験に対応できる会社、機関は限られています。当社では防水試験(NDS C0100E)をはじめとして、各種のNDS規格の試験を実施することができます(図2は防水試験のイメージで、NDS規格の試験ではありません)。
図2 防水試験イメージ(当社HPより)
図2 防水試験イメージ(当社HPより)
 製品の防水、防塵性能に関して、保護性能を表す等級としてIPコード(International Protection)が定められています。当社でも信頼性評価の一環として、IPコードの各種等級に応じた試験を実施しています。
3. 検査方法の開発例
(1) バルブの認証検査
 量産の製品の場合、納入先の仕様に適合していることを確認する認証検査が必要になる場合があります。しかし、その仕様によっては、高温、高圧、低温、真空など、特殊な条件の試験が必要になります。特に、高温や極低温の条件では、使用できる工業製品が限られるため、そのような特殊条件を取り扱う知識・経験も必要になり対応が困難な場合もあります。
 例えば、近年、新エネルギーとして注目されている水素関連の試験依頼が増加傾向にあります。特に、液化水素では、−253℃雰囲気での試験を求められます。当社は、液化水素関連機器の開発実験など豊富な経験があり、−253℃条件での認証検査方法の開発や、その検査の代行にも対応します。
 図3は、極低温流体をバルブに通した際に、その表面に発生する液体空気の様子です。液体空気はバルブ下部のトレイに落下して蒸発しますが、この際、窒素と酸素の沸点の違いから、液体酸素が発生するおそれがあり、十分な安全対策を行いました。このように使用環境を模擬するだけでなく、試験の安全にも配慮した計画を行った上で、開閉を繰り返す耐久性や、その際の漏れ量を確認する試験を実現しました。また、バルブと同様に、シール材の試験にも対応しました。
 当社は極低温だけでなく、500℃を超える高温環境にも対応するなど、高温/低温などの特殊環境下の試験を得意としています。
図3 極低温試験時の様子
図3 極低温試験時の様子
(2) 漏れ検査方法の改善
 要求仕様の変更や、製造工程の負荷を軽減のため、検査方法を変更することがあります。そのような際、変更後の検査方法の妥当性を検証する必要があります。当社では、変更予定の検査方法の妥当性確認や、負荷軽減のための検査方法の検討・実証を行うことができます。
 図4は、試験体(耐圧部品)の漏れ検査の負荷を軽減するために構築したヘリウムリーク試験の構成です。図5は、実際に組み上げた装置で検査精度を確認し、実証している様子です。この検査方法の開発では、これまで以上の検査精度を確保するとともに、検査の操作性を高めることも考慮に入れた方法を検討する必要がありました。このように、当社では新しい検査方法の計画・検討や、モックアップの製作、および、それらの検証を行うことができます。
図4 漏れ検査の機器構成イメージ
図4 漏れ検査の機器構成イメージ
 
図5 耐圧部品漏れ検査 検査方法検証の様子
図5 耐圧部品漏れ検査 検査方法検証の様子
4. おわりに
 今回は検査代行と検査方法の開発をご紹介しました。マニュアル化された検査を代行する会社は多数ありますが、当社が得意としているのは、マニュアル化されていない検査方法の開発です。これまでの経験を活かし、最適な検査方法をご提案いたします。
 また、検査の代行では、当社保有の試験用機器を利用しますので、お客様で試験用機器の導入を検討・検証する手間も含め省けるメリットがあります。
 検査を「どうしよう」と思ったら、お気軽に、川重テクノロジーへご相談ください。
(2022/1)
ソリューション事業部
トータルソリューション推進部
第一課 松尾 昌彦
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