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化学

技術レポート

ガス透過試験

 医療分野や食品分野では、素材にガスバリヤ性能を付加したフィルムの開発が盛んに行われています。

 当社では、それらフィルム素材(厚み2mmまで)のガスバリヤ性能を評価する手法の一つとして、JIS規格に準拠したガス透過度、ガス透過率の測定をおこなっています。この分野ではこれまでに、炭素繊維プラスチックシート、ポリ塩化ビニリデンフィルムや各種包装材のガス透過率の測定についての実績があります。

 今回はそのガス透過試験についてご紹介いたします。

1.ガス透過試験装置の概要

 本試験装置は、JIS K 7126-1「プラスチック/フィルム及びシート/ガス透過度試験方法-第1部:差圧法」(2006)に準拠したガス透過試験が可能な装置です。試験装置の構成を図1に示します。

図1 試験装置フローシート

図1 試験装置の構成

 ここで採用されている差圧法は、試験体の一方を試験ガスで加圧し、もう一方を減圧して低圧状態とすることで、試験体に差圧を与え、その圧力差を推進力とすることで、試験体に試験ガスを透過させるものです。

 試験ガスは、ガスクロマトグラフ法 により分析を行いますので、Air, N2, O2, CO2, H2などの単成分ガスをはじめ、 混合ガスによる試験も可能です。

 試験体は、本試験装置の透過セルサイズ に従い、Φ55㎜(厚みは2㎜まで)サイズのものを使用します。厚み2㎜より大きいものは、別途ご相談させていただきます。

 試験結果は、単位圧力・単位時間・単位面積あたりの透過量として、例えばガス透過度の場合は、A [×10-10cc/㎝2・s・㎝Hg]で表します。

2.ガス透過試験の特長

 ガス透過試験装置外観を写真1に、透過セル部外観を写真2に示します。差圧式ガスクロ法によるガス透過試験の特長は下記の通りです。

(1)単一ガスおよび多成分ガス(混合ガス)での試験が可能
(2)検出感度が高く、再現性のよい試験が可能
(3)冷凍機を装備しているので、10℃~80℃の温度領域での試験が可能

 また、試験圧力(差圧)は最大600kPaまで試験可能です。

3.ガス透過試験実績

 当社では、これまでにFRP複層フィルム、高密度PEフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、アルミ箔、炭素繊維プラスチックシートなど、数多くの試験実績があり、それらの用途は食品包装材料、断熱材料、ガス容器材料など多岐にわたっています。