技術分野

化学

技術レポート

ヘリウムリークテスト

【ヘリウムリークディテクター】

 PL法が施行され、製品の品質を取り巻く環境はますます厳しくなっています。

 そのため微量な漏れを安全に短時間で検出することができるへリウムリークテストが注目を集めています。

 当社では容器や治具等を製作し、お客様のご要望に応じたへリウムリークテストを実施致します。

 へリウムリークテストとは、へリウムガスを利用したリークテストでヘリウムリークディテクターを使用してリーク量を検出します。へリウムガスは、分子直径が小さいため、漏れ部分に侵入しやすく微量な漏れの検出が可能です。

【ヘリウムリークディテクター】

へリウムリークテストと他のリークテストの比較

リークテスト名称 最小可検リーク量(Pa・m3/sec)
水没試験 10-3
圧力差圧法試験 10-4
ヘリウムリーク試験(真空法) 10-11
ヘリウムリーク試験(スニファー法) 10-6

備考)
許容リーク量の目安としては自動車業界・空調冷凍機業界10-4~10-6(Pa・m3/s)、電子業界・機械(精密)業界10-7~10-9(Pa・m3/s)、原子力業界10-7~10-10(Pa・m3/s)です。

1.へリウムリークテスト方法

 へリウムリークテスト(JIS Z 2331)は真空法と加圧法の2種類があります。

(1)真空法

 試験体内を真空に排気し、外部からヘリウムガスを吹きつけ、漏れをヘリウムリークディテクターで検出する。

(特長)

  • 漏れ位置が分かる
  • 非常に小さいリーク量まで検出できる

1)真空法

【図1 真空法】

(2)加圧法

 試験体内をヘリウムガスで加圧し、外部に漏れてきたヘリウムガスをヘリウムリークディテクターで検出する。

(特長)

  • 実際の使用状況に合わせた試験が可能

2)加圧法

【図2 加圧法】

2.試験実績の一例

  対象 内容 方法
実績1 真空容器 4m3の真空容器のパッキン部や溶接部、センサの接合部からの漏れの有無を確認するためリーク量を測定した。 真空法
実績2 水素配管 燃料電池用の水素配管の継手からの漏れの有無を確認するために内圧を6MPaにて実施した。 加圧法
実績3 リレー リレーの密閉度低下を確認するためにヘリウムガスをリレー内に浸漬させ、リーク量を測定した。 加圧法