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技術レポート

欧州連合(EU)有害物質規制への対応

 EUの有害物質規制であるELV指令(廃自動車指令)により2003年7月以降の新規販売車両については原則として鉛,水銀,カドミウム,六価クロムが使用禁止となっています。

 また、 2005年8月に施行されたWEEE指令(廃電気・電子機器リサイクル指令)は、10種類の製品の廃棄物について、分別・回収のシステムの構築を要求しています。

 さらに、RoHS指令(電気電子機器に使用する特定有害物質の制限に関する指令)では2006年7月1日以降に市場に出される電気電子機器(WEEE指令の10製品中8種類の製品)に対して、上記4物質に加え、ポリ臭化ビフェニルおよびポリ臭化ジフェニルエーテルの6物質を含有しないこととなっています。国内メーカーではこれらの規制への対応が大きな課題です。

 当社ではこれら規制対象物質の分析を行っており、これまでにダイオキシン分析や材料分析の分野で培った技術,経験をもとに、信頼性の高いデータを提供致します。

WEEE指令とRoHS指令の関係

《WEEE指令における10種類対象製品》

※AC1000V、DC1500Vを超えない定格電圧で使用される製品に適用。

大型家庭用電気製品(冷蔵庫・洗濯機・電子レンジなど)
小型家庭用電気製品(電気掃除機・アイロン・ドライヤーなど)
IT通信関連機器(メインフレーム・パソコン・ミニコン・電話など)
民生用機器(ラジオ、テレビ、ビデオ、オーディオ、楽器など)
照明関連機器(蛍光灯・ハロゲンランプ・高圧ナトリウム灯など)
電動工具(ドリル・旋盤・フライス盤・芝刈り機など※据付型大型産業用工具は除く)
玩具(電車、ビデオゲームなど)
医療関連機器(放射線医療機器・心電図測定機・透析機器など※移植用医療機器製品及び病原菌に感染した製品は除く)
監視及び制御機器(ハカリ・煙検知機・サーモスタットなど)
自動販売機(ホットドリンク自動販売機器・ビン缶用自動販売機など)

※内、1~7と10がRoHS指令における8種類対象製品となります。

【RoHS指令使用制限化学物質(6種)】

対象化合物 閾値(RoHS指令) 閾値(ELV指令)
鉛(Pb) 1000 ppm 1000 ppm
水銀(Hg) 1000 ppm 1000 ppm
カドミウム(Cd) 100 ppm 100 ppm
六価クロム(Cr6+ 1000 ppm 1000 ppm
ポリ臭素化ビフェニル(PBBs) 1000 ppm 対象外
ポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDEs) 1000 ppm 対象外

分析の流れ

 規制対象物質の分析では、まず簡易法である蛍光X線分析法により規制物質に関する元素分析を実施し、基準値付近またはそれ以上検出されたものに関して詳細分析を実施するのが一般的です。しかしながら、蛍光X線分析はあくまでも簡易法ですので、対外的な証明に利用する場合等は詳細分析をお勧めします。詳細分析が必要な場合、重金属については酸分解の後、ICP発光分析装置または原子吸光分析装置により定量を行います。臭素系難燃剤については凍結粉砕後、適切な溶媒で抽出した後、高分解能ガスクロマトグラフ質量分析装置により定量を行います。

《蛍光X線分析(簡易法)》

 規制に関する元素(Cr,Pb,Hg,Cd,Br)の含有量を非破壊で半定量することができます。社内的な規格管理や部品の選定など、対外的な証明を必要としないスクリーニング目的であれば、短納期,低料金である本法をお勧め致します。

《重金属の詳細分析》

 酸分解を行った後、ICP発光分析装置および原子吸光分析装置により重金属元素(Cr,Pb,Hg,Cd)を定量します。これによりCr量が規制値を超えた場合は、紫外・可視分光光度計により吸光光度法でCr6+の定量を行います。