技術分野

材料評価

技術レポート

波長分散型X線分光器、エネルギー分散型X線分光器

 近年、材料,部品,製品の小型化・高性能化がますます進んでおり、新素材の研究や新製品開発において、表面分析の重要性が強く認識されてきています。一方、製品等のクレーム処理においても原因究明と防止対策、改善案の提言のために、調査の一環として微小部の元素分析が必要とされてきています。当社では表面分析技術として、波長分散型X線分光器(WDS/WDX),エネルギー分散型X線分光器(EDS/EDX)の両装置を使い分けてお客様からのご要望に対し、スピーディーに、精度良く、満足していただけるよう対応しています。

1.装置概要

 両装置は細く絞った電子線を試料表面に照射し、その部分から発生してくる特性X線を検出してどんな元素が、何処に、どれだけあるのかを明らかにする微小領域(μm~)の元素分析装置です。

2.分析の種類

①定性分析・・・どんな元素で構成されているのかを調べます。
②定量分析・・・どれぐらいの量を含んでいるのかを調べます。
③面・線分析・・どんな濃度分布状態なのかを調べます。

では何処が違うのか?
相違点 WDS EDS
測定方法
分光結晶による波長分散方式
(機械,光学的)
Si(Li) 半導体検出器 による
エネルギー分散方式 (電気的)
測定速度
遅い 速い
多元素同時測定
不可 得意
試料のダメージ・汚染
多い 少ない
検出限界
50~100PPM 1500~2000PPM
使い分けは?
WDSはゆっくり・緻密に分析します。
(μm~cmを数十分~数時間)
EDSは早く・ざっくりと分析します。
(μm~cmを数分~数十分)
得意な分析法は?
WDS(面分析) EDS(定性・定量分析)
WDS(面分析) EDS(定性・定量分析)
鋼の腐食部断面を分析したものです。明るい色ほど強い分布を示し、逆に暗い色ほど弱い分布を示します。これによると、腐食促進元素となるCl(塩素)が母材とスケール界面で濃化しているのが判明しました。 微小な金属異物を分析したものです。異物はCr,Ni等の合金元素を含有しており、それらの量から金属異物の材質はステンレス鋼(JIS-304相当材)と判明しました。
こんなものが分析できます。
WDS EDS
  • 腐食生成物
  • 浸炭層(表面硬化処理)
  • 触媒
  • 溶接肉盛部
  • 溶射・メッキ層
  • 異物
  • 破面起点部(介在物)
  • 析出物
  • 表面変色部