概要
当社は、川崎重工業(株)のプラントエンジニアリングや技術開発に協力してきた経験から、各種の触媒評価を実施できます。環境浄化触媒や合成触媒などの性能評価,耐久性評価,触媒そのものの化学分析を行い、総合的に触媒性能を評価します。
また、触媒の試作や、装置化に向けた設計データ取得,耐久性確認,被毒調査なども実施しています。
事例1:脱硝触媒の性能評価試験
使用後の触媒性能を模擬環境試験で性能評価し、その耐久性の評価を行いました。定期的に試験を実施することで、実装置での性能の変化を確認することができます。
アンモニア接触還元触媒(SCR触媒)の性能評価試験
| 項目 | 条件 | 備考 |
|---|---|---|
| 触媒形状 | ハニカム | |
| 触媒寸法 | 20×20×240 mm | 実触媒から切り出し |
| 試験温度 | 300 ℃ | 溶融塩バスによる加熱 |
| 試験圧力 | 常圧 | |
| ガス流速 | 4.0 m/s | 模擬 混合ガス |
| ガス分析 | NOX連続分析計 | 化学発光法 |
| 試験時間 | 安定後1時間 |
試験用に切り出した触媒
試験装置に設置した触媒
事例2:酸化触媒の試作と評価試験
触媒金属を分散担持させた酸化触媒粉を調製し、造粒することで試験可能な触媒を試作しました。各種の調製方法で触媒を試作し、その性能評価を行うことができます。
酸化触媒の試作と評価試験
| 項目 | 条件 | 備考 |
|---|---|---|
| 調製方法 | 有機酸錯体法 | |
| 造粒 | セルロース混合造粒 | |
| 評価容器 | ガラスカラム | |
| 評価圧力 | 常圧 | |
| 評価温度 | 室温 | |
| 評価対象 | VOC成分 | 模擬 混合ガス |
| ガス分析 | ガス検知管 | |
| 試験時間 | 数時間 |
造粒後の触媒
ラボ試験装置の様子
対応範囲
触媒評価は使用環境を模擬して行うため、対象に応じて試験装置をその都度準備する必要があります。当社は、触媒評価のための基本機器を揃えており、それらを組み合わせることで種々の条件に対応することができます。
また、ご希望の仕様に合わせた触媒評価試験装置を設計・製作し、装置そのものを納入することもできます。
評価条件(一例)
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 触媒形状 | 不均一触媒(ハニカム,粒状など) |
| 対応反応 | 酸化,還元,メタネーションなど |
| 評価温度 | ~800℃ |
| 評価圧力 | ~1MPa(G)未満 |
| 加熱方法 | 管状炉,溶融塩バス,恒温槽,電気ヒータなど |
| 評価方法 | ガスクロマトグラフィ,FT-IR,ND-IRなど |
保有触媒ケース※1
| 項目 | 条件 | 備考 |
|---|---|---|
| ガラスカラム1 | φ20×L300 mm | |
| ガラスカラム2 | φ45×L500 mm | |
| ガラスカラム3 | φ50×L500 mm | |
| ステンレスカラム1 | φ20×L500(有効長300)mm | ジャケット式※2 |
| ステンレスカラム2 | φ50×L700(有効長400)mm | ジャケット式※2 |
| ステンレスカラム3 | φ80×L1,200(有効長700)mm | ジャケット式※2 |
| ステンレスケース | 150×150×L400 mm | 成形ハニカム用 |
| ステンレスケース | φ25×L1,000 mm | 溶融塩バス(~350℃) |
※1 触媒ケースにより、耐熱性,耐圧性が異なります。詳しくはお問い合わせください。
※2 ジャケット式は、外槽へ熱媒体を通液することで均一加熱することが可能です。
注意事項
試験用ガスや校正ガスは保有していません。試験用に標準ガスを手配する際は、1.5か月以上を要します。