高性能画像処理システムの一つ、リバービジョンシステムは、様々な用途に使用できるフレキシブルなビジョンシステムです。当初はロボットの目として開発されましたが、現在では検査装置や計測システムとして鉄道分野やプラントなどで幅広く使用されています。
1.リバービジョンシステムの特徴
豊富なラインアップを備えたセンサヘッドと高度な認識アルゴリズムを有しており、幅広い用途に活用できます。既存の製品では対応できない特殊な用途にも対応できるフレキシブルなシステム構成とアプリケーションの構築が可能です。
【主な特徴】
1)ロボットシステムや検査装置など幅広い用途に対応
工業用パソコンをベースとした画像処理装置「K-HIEP-R-PC」は、モノクロ濃淡画像だけでなく、カラー画像も処理可能で、通常のCCDカメラやシャッタカメラ、高解像度カメラが使用できます。また、KHI独自の3Dレーザセンサやステレオセンサを使用することで3次元の計測も可能です。
画像処理装置「K-HIPE-R-PC」は、各種インターフェースを用意していますのでロボットコントローラはもちろん、仕分け装置、プラント監視装置等様々な機器と接続でき、多様なシステム構築が可能です。
2)簡易操作ダイアログと専用ビジョン言語で様々な適用に対応
簡易操作ダイアログにより、手軽に画像処理アプリケーションが構築可能です。高度なアプリケーションには KHI独自の画像処理言語(KVL:Kawasaki Vision Language)で柔軟に対応できます。さらに、高度認識アルゴリズム「V-Fit」を搭載しており、対象物の回転、サイズ変化、部分的な重なり、部分的な隠蔽があっても認識ができ、汚れ、照明変化、ピントずれなどの影響を受けにくい安定した認識が自慢です。教示作業も対象物を矩形エリアで囲むだけで簡単です。
2.適用事例
本システムは、ロボットなどのコントローラと接続することで自動車ボディの計測システムやハンドリグ用位置決めセンサなどロボットの目としての使用することはもちろん、車両台車寸法検査システムや軌道中心計測システムように複数のセンサヘッドを組み合わせることで検査・計測システムとしても使用できます。
1)検査分野
●自動車ボディ計測システム
ロボットの手先に取り付けた3Dレーザセンサで自動車ボディ各部の孔の3次元位置を正確に計測します。
●車両台車寸法検査システム
3Dレーザセンサを用いて車両台車の上下それぞれ4箇所の3次元位置を計測し、台車の寸法を検査します。
●軌道中心間隔計測システム
自軌道と隣接軌道の位置をレーザとカメラを組み合せたシステムで計測し、軌道中心間隔を算出します。
2)取り出しハンドリング分野
●ガラスパレタイジングシステム
コンベア上を搬送されてくるガラスの位置・姿勢を計測し、ロボットでピッキングしてパレタイズします。
●ビンピッキングシステム
乱雑に積上げられた部品の位置・姿勢を計測し、ロボットでピッキングし、加工機に投入します。
●自動車部品組付けシステム
コンベアで供給される自動車部品の位置・姿勢を計測し、組付治具にセットします。
3)その他の分野
●ガラスビン色・形状識別システム
コンベア上を整列されて運搬されてくるガラスビンの色と形状を高速に識別し、仕分けします。
●台車枠溶接ビード粗加工システム
車両台車枠隅肉溶接部のビード形状を3Dレーザセンサで計測し、母材間を滑らかにつなぐ断面形状となるように、グラインダを把持したロボットで整形加工します。
●航空機パネル孔あけシステム
航空機パネルに取り付けられた仮鋲の3次元位置と面法線を計測し、孔あけ位置・姿勢を補正します。